篠田英朗・激動する世界の地政学リスクを分析するの記事一覧

篠田英朗・激動する世界の地政学リスクを分析する

現代世界には、紛争、政情不安、経済危機、自然災害、などの先行き不透明な状況があふれています。紛争分析および国際機関の援助活動を専門的に研究し、欧米に加えアジア・中東・アフリカなど世界中に広がる多彩な人脈も蓄積してきた篠田英朗が、不穏な「地政学リスク」の動きを取り上げ、分析して解説していきます。

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日曜討論における岩下明裕教授の発言

　昨日（2月23日）にNHK『日曜討論』に出演させていただいた。以前から交流させていただいている岩下明裕（長崎大学グロー...

欧州の低落という地政学リスク

　トランプ大統領・バンス副大統領と、ゼレンスキー大統領の間のメディア関係者の面前での激しい口論の様子が、世界にショックを...

小泉悠氏の朝日新聞記事と「二つの地政学理論」

　「反グローバル」系の陣営は、多極主義の思想傾向を持つ。それは私が論じてきている「二つの地政学理論」の視点に大きく関わる...

トランプ関税とモンロー・ドクトリンの伝統

　トランプ大統領が導入した関税政策が、大きな衝撃を放っている。この政策の是非は、やがて現実の中で明らかになるだろう。気に...

マスクvsトランプ決裂が示す本当の重大争点

　イーロン・マスク氏とトランプ大統領の間の罵倒合戦が話題だ。メディアはゴシップ記事のように扱っている。確かに、人間的な確...

「トランプは無能」論の地政学リスク

　トランプ大統領を「無能」「気まぐれ」「支離滅裂」と侮蔑する「識者」の態度が広がっている。果たしてこれは建設的な態度だろ...

新しいモンロー主義（「トランプは無能」論の地政学リスクその３）

　モンロー・ドクトリンへの関心が高まっている。トランプ大統領の姿勢を、アメリカの外交思想の中でとらえようとするときに、ど...

羅針盤を失った日本のウクライナ支援の行方

　日本はウクライナに対して2022年以降、1.8兆円を超える額の支援を行っている。その背景には、アメリカの期待があり、ア...

「根本原因除去」戦争終結論とロシア・ウクライナ戦争の停戦の行方

　本稿では、ロシア・ウクライナ戦争の停戦交渉の議題を、あらためて整理することを試みる。その際に、日本でも千々和泰明氏など...

プーチン体制は崩壊すると言えるのか？　永久戦争の覚悟がロシアの撤退を導...

　ロシア・ウクライナ戦争の停戦交渉に対する姿勢を決めるにあたり、戦争継続のリスクをどう評価するか、という問題は、当然大き...

米国の「クリミア宣言」の放棄の可能性と「スティムソン・ドクトリン」の帰...

　アメリカによるロシアのクリミア併合承認の動きが注目を集めている。この問題は、現在の停戦合意の成立、クリミアの歴史、そし...

トランプ関税と「アメリカン・システム」高率関税の伝統

　トランプ大統領は、関税政策について、19世紀末の大統領マッキンリーへの憧憬を繰り返し表明している。「MAGA」の発想の...

日本のウクライナ感情コミットの地政学リスク

　日本政府にとってウクライナ支援は特別案件だ。外務省・防衛省などが、一枚岩になって支援を続けてきた。今やウクライナ自衛隊...

ウクライナをめぐる三つの主要な地政学リスク

　ロシア・ウクライナ戦争が大きな地政学リスクであることは間違いない。だが論者によって重視するリスクの内容が異なっている。...

要塞化する欧州の命運：（続）小泉悠氏の朝日新聞記事と「二つの地政学理論...

　「圏域」思想を重視する「大陸系」地政学理論の思想傾向に、トランプ政権は近接している。ロシア、中国、インドなどは、それに...

垣間見えたアメリカの調停姿勢と欧州安全保障のリスク要素

　本稿では、リーク記事として伝えられるアメリカの調停案の内容について、ザポリージャ原子力発電所の管理にアメリカが固執して...

野口和彦教授の「予防戦争」論への関心とロシア・ウクライナ戦争

　ロシア・ウクライナ戦争を「予防戦争」論の観点から理解する視点は、妥当なものである。もちろんそれは排他的な戦争原因論では...

日本の人口減少という地政学リスク

　現代世界は揺れ動いており、地政学リスクと呼べる不穏材料には事欠かない。それは戦争や政争のような各国内・国際的な政治情勢...

研究者・評論家によるメディアSNS社会運動

　トランプ政権がロシア・ウクライナ戦争の停戦努力に熱心になっている。そこで目立ってきているのは、日本国内で停戦を調停する...

トランプ大統領の政策体系（「トランプは無能」論の地政学リスク:その２）...

「『トランプは無能』論の地政学リスク:その２」として、前回の続編で、トランプ大統領の政策の特徴を指摘する。ここではトラン...

「トランプ関税」問題の構造的な事情を見る

　「トランプ関税」は正面衝突の「米中貿易戦争」に発展した。日本では天災でも訪れたかのような扱いが目立つが、問題の本質は、...

トランプ政権100日世論調査をどう読むか

　トランプ政権発足100日目の支持率の世論調査結果が「史上最低」だったという記事が話題だ。ただこのことだけから、何らかの...

日本記者クラブでの「トランプ2.0」講演後の追記

なぜトランプ大統領の政策は、「20世紀のアメリカ」を飛び越えて、19世紀のアメリカの政治外交思想に回帰するような性格を持...

ロシア政府が頻繁に用いるようになった「緩衝地帯」の概念と「停戦」の行方...

　最近になってロシア政府が「緩衝地帯（Buffer Zone）」という概念を多用し始めている。これはロシア政府が戦争を停...

カシミール紛争のグローバルな要素

　インドがパキスタン領内のテロ組織施設とみなした場所への軍事攻撃を行った。カシミール紛争は、インドとパキスタンの独立以来...

アメリカの高率関税の伝統：ハミルトン主義とマッキンリー主義

　トランプ大統領の関税政策が大きな話題だが、日本にとって最大のリスクは、「トランプはバカだ、おまけに気まぐれだ、バカげた...

トランプ大統領のラマポーザ・南ア大統領に対する糾弾について

　ホワイトハウスでトランプ大統領のラマポーザ・南ア大統領に対して行った糾弾が話題だ。一般には、トランプ大統領の無能さがま...

トランプ高関税政策の構造的事情と国際秩序

トランプ政権の高関税政策に端を発した日米交渉が停滞気味だ。日本側に不満が渦巻き、識者のコメントはアメリカに厳しい。だが、...

「侵略の罪」特別法廷を作る意味

　欧州諸国が「侵略の罪」を裁く特別法廷を作ろうとしている。大変に野心的な試みである。前例は乏しく、構成国には大きな負担が...