研究者・評論家によるメディアSNS社会運動
非常に印象深いのは、研究者・評論家層が、「ロシアに対抗する」という名目で、メディアやSNSを通じた集団的な運動で、特定のタイプの意見を撲滅し、特定のタイプの意見を広めようとしていることだ。国際法にそって、侵略を非難する、侵略に対抗する措置の意義を主張する、というところまでは、まさに国際法秩序の話であろう。しかし全面侵攻から3年がすぎ、現在は、言論活動と党派行動の境界線は、かなり曖昧になっている。特定の人物名が、ロシア寄り、ウクライナ寄り、と分類され、全ての言論活動がそれにそった方向性で整理されている。現在では、アメリカのトランプ政権がロシア寄りと断定されているので、ウクライナ寄りの研究者・評論家層が、あらゆる機会を通じてトランプ政権を支持してはいけないという方向性での言論活動を熱心にメディアやSNSを通じて熱心に行っている。
もちろん個々のトランプ政権の政策あるいは発言であっても、批判すべきは批判すべきであることは、言うまでもない。だが普通の意味での政策批判が見られる機会がむしろ減ってきた。むしろ顕著な傾向は、人格否定・能力否定・揶揄・侮蔑ばかりになってきていることである。
もちろんこうした社会現象に、何百人もの研究者・評論家が加わっている、ということではない。むしろ専門が近い層が、集団的に行っている。ただそこに固定ファンのような層もついてきているので、「メディア・SNS運動」と呼ぶべきものに近い状態となっている。