G7サミット声明による国際法上の自衛権の「脱構築」について
G7サミット声明は、イスラエルによるイランへの一方的攻撃を事実上支持するものであり、国際法違反を承知のうえでG7が「二重基準」の立場を世界に宣言したと批判される。国際法の概念をすり替えようとする意図的な操作には、意味がない。国際秩序を撹乱するG7の外交価値には、冷静な評価が必要だろう。
篠田英朗
2025.06.19
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カナダ・カナナスキスで開催されたG7サミットで、交戦状態に入ったイスラエルとイランをめぐる情勢についての声明が出された。いったい何の意味があったのだろうか。
G7による自衛権の脱構築=二重基準
イスラエルのイランへの一方的な攻撃開始は、明白に国際法に違反している。G7諸国は、それにあえて支持を示した。「われわれは堂々と恥ずかしげもなく二重基準を掲げます」と世界に宣言したわけである。