参議院選挙が見せた閉塞する日本の世代間対立
参議院選挙は予想通りの結果となり、日本政治の構造的停滞が鮮明になった。自民・立民は高齢層に依存し、現役世代は新興政党に流れるが、どこも抜本的解決策を持たない。閉塞感の中で求められるのは、現実を冷静に受け止める覚悟を定め、せめて非合理な暴走を防ぐことだろう。
篠田英朗
2025.07.21
読者限定
流動化する日本政治
参議院選挙の結果が確定した。色々な注目点があることは、すでにメディアが報じている通りだ。色々な方々が、ご自身の立ち位置を反映した見解を述べていらっしゃる。ただ、総括としては、二週間ほど前から予測されていた通りの結果だった。具体的な政党名を捨象して、さらに大局的に総括すれば、冷戦終焉後の時期に先送りにし続けてきた日本政治の立て直しが、時間切れになり、ただ溶解し始めているということだと思う。https://agora-web.jp/archives/250707173010.html
相対1位と2位の自民党と立民党は、いずれも現役を退いた高齢者層の票に依存している。現役世代では、国民民主党と参政党が、既存の政党を圧倒していることが、各種世論調査の結果として報道されている。人口構成から、既存の政党の衰退は、緩慢にしか進んでいかない。他方、この傾向は、ゆっくりと数十年前から始まっていたことだとも言える。