日米同盟に代わる日欧同盟などはありうるか
国際政治学者ら「専門家」の方々がトランプ揶揄を大合唱し、日欧同盟の必要性なども主張される中、石破首相の日米同盟を相対化する発言が注目されている。しかし日米同盟は「地政学理論」に基づく安全保障政策を基盤にしており、貿易政策や「価値観」は後付けの補強策であることを忘れるべきではないだろう。
篠田英朗
2025.07.11
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「専門家」が主導する日米同盟の相対化
石破茂首相の「なめられてたまるか」発言が話題だ。トランプ大統領が、関税交渉で日本に譲歩をしないことへの苛立ちを表明した発言だ。背景には、学者・評論家ら「専門家」の多くが、トランプ大統領に辛辣であることなどがあるだろう。選挙演説中にあえてアメリカへの強い言葉を発したのは、それが世論へのアピールにも好影響を与えると計算しているからなのだと推察される。
今年1月のトランプ大統領の就任以来、国際政治学者らが繰り返しトランプ大統領を揶揄するコメントを発し続けている。トランプ大統領がウクライナ支援に冷淡で、停戦交渉に熱心であることが確かめられると、アメリカを見限って、日本と欧州で同盟を組んで、ロシアを撃破する努力を続けるべきだ、といった主張をする国際政治学者の方々の主張が話題にもなった。