イスラエル・イラン戦争の停戦について

イスラエル・イラン戦争の停戦が話題だが、恒久的安定には程遠い。停戦の背景にはイスラエルのアイアンドームの弾薬枯渇があったと推察されるが、体制転覆を狙った戦争は目的を果たせなかった。アメリカは当事者として参戦し、停戦を主導したが、イランの核開発能力は不透明なまま残った。アメリカは、イスラエルの影響力を行使できる唯一の国だが、今回あらためて大きな巻き込まれリスクを抱えていることも露呈した。
篠田英朗 2025.06.24
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推察できる停戦やり取りの背景事情

 イスラエル・イラン戦争が、停戦状態に入っとされ、また破られたと主張されたりしている。いずれにせよ停戦の機運はあるが、まだ危ういものだ。停戦は、あるのだか、ないのだか、わからない状態だ。

 トランプ大統領の発言は、たとえば、インドとパキスタンの間のカシミール紛争をめぐる停戦に関するものなどよりは、信ぴょう性がある。なぜなら戦争を始めたのはイスラエルの側であり、イスラエルに最も緊密に連絡を取り合って影響力を行使できる立場にあるのがアメリカだからだ。何と言っても、そもそもアメリカは、今や戦争の当事者である。アメリカは、第三者調停というよりは、紛争の当事者として、敵側のイランと交渉し、味方のイスラエルとの調整をへて、停戦に至った。

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  • 紛争当事者の位置づけについて

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