トランプ大統領の綱渡りの立ち位置について

 イラン・イスラエル戦争に対するトランプ大統領の位置づけは特異だ。アメリカ国内における「MAGA」と「ネオコン」の双方の支持を維持しつつ、そして対外政策において「第三者調停者」と「イスラエル同盟国の紛争当事者」としての役割を、同時に追求している。控えめに言って綱渡りの位置づけである。
篠田英朗 2025.06.25
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トランプ大統領の立ち位置の特異さ

 イラン・イスラエル戦争の停戦について、トランプ大統領の特異な位置づけが際立っている。これはアメリカ国内における「MAGA」と「ネオコン」の双方の支持を維持しつつ、そして対外政策における「第三者調停者」としての役割と「イスラエルの擁護者」としての役割を、同時に追求する姿勢から生まれている。

 控えめに言って、非常に危うい綱渡りだ。超大国アメリカだからできることと言えば、その通りだろう。しかしアメリカだからといって、このような綱渡りにリスクがないわけではない。

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