ロシアの戦争終結の条件の変化をどう分析するか
ロシアは停戦/戦争終結の条件として「中立化・非武装化・非ナチ化」を掲げてきたが、現在は非武装地帯設定や撤退範囲などの具体的提案に、言い方を変化させてきているようだ。要求の方向性は基本的には変わっていない。しかし、クリミア承認以外の領土承認を求めず、ロシア語や正教会の権利保障要求といった言い方に転換させているのは、従来の抽象的な表現を、具体的な要請とし、停戦交渉を現実的に検討している姿勢が見える。
篠田英朗
2025.08.23
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ロシアの戦争終結条件(目標)の変化
8月15日にトランプ大統領とプーチン大統領の会談が行われ、その際の内容は8月18日にゼレンスキー大統領に伝えられたと報じられている。断片的な報道はあるが、停戦に向けた協議の内容については、正確あるいは詳細には発表されていない。
その中で、ロイターが政府関係者から聞き取ったとして報道した内容が、もっとも信ぴょう性が高いものに見える点については、前回の「The Letter」記事で書いたとおりである。https://shinodahideaki.theletter.jp/posts/b3c7c3f0-7c97-11f0-87a5-e9c5a8a12041?utm_medium=email&utm_source=newsletter&utm_campaign=b3c7c3f0-7c97-11f0-87a5-e9c5a8a12041