「多極化する世界」の中の「G2」:後景に退いた「FOIP」「クアッド」
トランプ大統領は、米中「G2」関係に言及したりする一方、「FOIP」や「クアッド」には関心を示していない。日本の国力低下を踏まえると対中封じ込めの中心となるのは困難で、長期的には東アジアの勢力均衡は中国有利に傾く。米中は互いに異なる思惑でG2を模索しつつ、中国は多極化路線を維持する。結果として「FOIP」「クアッド」は停滞局面に入り、大陸系地政学理論の世界観優位の傾向が強まるだろう。
篠田英朗
2025.11.04
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「多極化する世界」の中の「G2」
トランプ大統領が、中国の習近平国家主席と会談することを、「G2」の会談と描写し、SNSで発信した。これが話題を呼んだのは、世界を平和にするための超大国間の会談と、トランプ大統領が考えていることがわかったからだろう。