ガザ和平案20項目について
トランプ大統領とネタニヤフ首相が20項目のガザ和平案に合意。イスラム主要国も支持し、ハマスに圧力がかかる。内容はハマスに不利な面があるが、住民の苦境から合意の全面拒絶も容易なことではない。「平和評議会」は茶番めいたところがある。しかしインドネシアなど非アブラハム合意派のムスリムの国の関与の可能性などは、和平に向けた途中経過として、重要な意味も持っている。
篠田英朗
2025.10.03
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注目すべきガザ和平案20項目
10月27日、ホワイトハウスで、トランプ大統領が、ネタニヤフ首相と会談し、20項目からなるガザ和平案について、合意をした。これは先に国連総会の際に、トランプ大統領がイスラム諸国8カ国(トルコ、サウジアラビア、カタール、UAE、エジプト、ヨルダン、インドネシア、パキスタン)と協議会談をした際に合意を取り付けた内容に、ほぼ対応しているものと考えられている。ただしネタニヤフ首相に会う前に、幾分かの修正がなされているとも言われる。
現在、合意案を受諾するように、ハマスに圧力が加えられている段階だ。ハマスとしては納得できない点がいくつか含まれているが、慎重に熟考はしているようである。ガザの人々の被害と疲弊が高まり続ける中、和平合意案には、広範なイスラム諸国の同意が取り付けられており、ハマスとしては、外堀を埋められた形になっていることも、無視できない点だろう。