パキスタン・サウジアラビア軍事協定の意味

9月17日、パキスタンとサウジが軍事協定を締結し、相互防衛を約束。核保有国パキスタンと産油国サウジの利害が一致し、インドやイスラエルへの抑止を意図。インドは経済関係を背景に冷静対応を装うが衝撃大。イスラム諸国の連帯は中国・ロシアの後押しで強まり、地域秩序に変化をもたらしている。
篠田英朗 2025.09.20
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パキスタン・サウジアラビア軍事協定のインドへの衝撃

 9月17日、インドのモディ首相の誕生日にあたる日、パキスタンとサウジアラビアが軍事協定を結んだ。私はこのニュースをインド滞在中に見たが、当然ながら、インドにおいて、大きな注目を集めていた。ある種の衝撃を伴っていた、と言ってもいいだろう。インド外務省は、以前からこうした動きを察知していたと述べつつ、サウジアラビアには繊細な問題をはらんでいることを通知した、としている。決して青天の霹靂ではなく、インド政府は冷静に事態を注視して把握していると強調しつつ、インドにとって悪い事態にならないように留意していることを、国民にアピールしている形だ。

 パキスタンとサウジアラビアは、同じイスラム教の国として良好な関係を持っていたが、今回の軍事協定は、踏み込んだ内容となっている。当事国一国に対する攻撃を、もう一つの当事国が自国への攻撃と同じとみなす、という内容を持っているからだ。

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  • パキスタンにとって大きな外交成果
  • ガザ危機で流動化した中東情勢・世界情勢

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