トランプ大統領に一喜一憂する日本人は「多極化した世界」を受け入れられるか

トランプ大統領が高市首相を擁護しなかったと不満が高まっているが、アメリカの普遍的覇権を前提とした旧来の世界観に縛られた発想だ。トランプ氏は多極化世界を前提に、同盟国には負担を求めつつ、中国とは「別の勢力圏を持つ大国」として付き合おうとする。国力が相対的に低下した米国に命令しても現実は変わらず、世界は着実に多極化へ向かう。高市首相のパフォーマンスも国内向け効果に留まり、国際情勢を動かすものではない。
篠田英朗 2025.11.13
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「ハシゴは外された」のではなく、最初から存在していなかった

 トランプ大統領が、日本の高市首相を擁護するために、中国と敵対する覚悟を表明しなかった、「ハシゴを外された」、という意見が盛んになされているようだ。

 高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁を受け「汚い首は斬ってやる」とSNSに投稿した中国の薛剣駐大阪総領事に関して、「われわれの友人とは言えない。そうではないですか?」と質問されると、トランプ大統領は次のように答えた。「多くの同盟国も友人とは言えない。中国以上に貿易でわれわれから利益を得てきた」と返答した。そして「私は中国と良好な関係を築いている」と強調した。

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  • 大陸系地政学理論に見られる傾向と日本人の非現実的な願望
  • アメリカの勢力圏に属する国としての日本

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