日本の安全保障の専門家がアメリカ専門家ばかりなのはなぜか 

日本の安全保障研究は対米依存が強く、交流や人事構造も米国中心で、分析の偏りや現実認識の歪みを招いている。
篠田英朗 2026.03.29
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 本日の先ほどの『The Letter』で日本の専門家層の分析態度の問題性についてふれた。この背景に、軍事・安全保障・国際政治の研究者層が、過度にアメリカ人に知的に依存している傾向があることを指摘した。これはもともと欧米人を過度に信奉する日本の知的風土の問題、日本の防衛政策がアメリカの防衛政策に依存している日米関係の非対称性の問題に加えて、さらにより具体的な政策的意図によって成り立っている知的交流の実情がある。日米のシンクタンクや財団が、国策として、日本の安全保障研究者をアメリカの安全保障研究者と交流させている。潤沢な資金で大規模な定期会合を非公開で開催する「富士山会合」や、若手安全保障研究者のための奨学金を用意してアメリカの研究者と交流させる「RIPS奨学プログラム:日米パートナーシップ・プログラム」などは、そうした例だ。日米の安全保障研究者のほとんどが、同じプログラムを通過し、同じ会議で顔を合わせることを、確立された習慣としている。

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