米国の制裁に対抗するEU「ブロッキング規則」をめぐる誤解について
EUのブロッキング規則は、米国制裁への従属を禁じる法制度だが、対象は対キューバ・イラン制裁に限られ、実効性にも限界がある。対ICC制裁には現在も適用されていない。制度を過大評価せず、日本政府も国内金融機関に対し、米国制裁に従う日本法上の一般的義務はないと明確に示すべきである。
篠田英朗
2026.09.05
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ICCの赤根智子所長に対するアメリカの制裁発動を受けて、関連する問題への関心が高まる中、「ブロッキング規則」への言及も散見されるようになった。これは赤根所長自身も導入を訴えているものだ。ただ、日本では、その仕組みが十分に理解されないまま、イメージ先行で「ブロッキング規則」が語られているようにも見える。
そこで本稿では、ブロッキング規則について概説するとともに、日本でよく見られる誤解を指摘しておきたい。
ブロッキング規則とは何か
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続きは、8236文字あります。
- 限定的な適用例:対キューバ及び対イラン制裁
- キューバ・イラン・リビア制裁への対抗
- アメリカの対イラン制裁再発動
- Bank Melli Iran対Telekom Deutschland事件
- IFIC Holding対欧州委員会事件
- 日本国内で見られるブロッキング規則をめぐる誤解
- 誤解1:欧州では対ICC制裁にもブロッキング規則が適用されている?
- 誤解2:オランダ政府の対応はEUのブロッキング規則によるもの?
- 誤解3:ブロッキング規則があればアメリカの制裁を無効化できる?
- 日本:政府による立場表明の必要性
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