サウジアラビア・パキスタン・トルコのメッカ共同防衛協定への諸国の反応と地政学理論への含意
8月7日に調印されたサウジアラビア・パキスタン・トルコ防衛メッカ協定は、三カ国首脳が集まる場面とともに唐突に発表された。そのため、諸国による反応の表明は鈍い。それでも全般的な傾向として、協定が、イスラム圏有力諸国の連携を通じて、中東に第三勢力を形成する性格を持っていることがうかがえる。これは地政学理論の観点から見た場合にも、興味深い含意を持っている。
篠田英朗
2026.08.12
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アメリカ・イスラエル対イラン戦争におけるメッカ協定の含意
諸国の反応の中で、特に目立つのが、無反応を貫いているアメリカとイスラエルだ。イランとの戦争が事実上、続行中だ。無関心を装っている余裕はないはずだが、確定的な評価を下すことに苦心しているといったところだろう。
これに対して迅速に肯定的なコメントを出したのが、イラン政府だ。外務省報道官エスマイル・バガエイ氏が、8月10日に正式に反応して、「懸念する理由はない」と述べた。地域諸国が安全保障を米国などの外部勢力に委ねるのではなく、自ら構築する方向に認識を変えていることは、良いことだという評価である。