アメリカのICC制裁:金融制裁の歴史の中で捉える

赤根智子ICC所長に対する米国の金融制裁を手がかりに、アメリカの一方的制裁の歴史と構造を振り返る。基軸通貨ドルと巨大な金融市場を背景に成立した制裁体制は、極めて強力である一方、濫用すれば正統性と実効性を自ら掘り崩しかねない。日本はその力を過小評価せず、同時に過大評価もしない姿勢を求められている。
篠田英朗 2026.08.20
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「ICC赤根所長に対する米国の制裁:日本政府が行うべき三つのこと」という題名の拙稿を、『アゴラ』さんに掲載していただいた。https://agora-web.jp/archives/260819204022.html この『The Letter』では、この『アゴラ』掲載の文章の続きになるような追記的な文章を書いておきたい。

 『アゴラ』では、状況の整理と、日本がとるべきではないかと思う対応について、書いてみた。ここでは、さらに大局的な視野で、歴史的な観点をふまえ、問題の性格を把握する作業を行っておきたい。完璧な答えはないが、事態の深刻さをふまえたうえで、臆し過ぎることのない対応を考えるために必要な作業でもあるはずだ。

アメリカの一方的な金融制裁とは何か

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続きは、6584文字あります。
  • アメリカのICC金融制裁の歴史的意味
  • アメリカの金融制裁の倫理的ジレンマ
  • アメリカの金融制裁の実効力のジレンマ
  • アメリカの一方的な金融制裁は類例のない歴史で生まれてきた
  • アメリカの一方的な制裁は強力だが万能ではない

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