「中露善隣友好協力条約」25周年:四半世紀で変わってしまった世界

2001年の中露善隣友好協力条約から25年。中国とロシアは「多極化世界」を掲げて連携を強化し、中国GDPは日本の3割から約5倍へ急拡大した。SCOやBRICSを通じた中露協調は、米国主導の「単極秩序」への対抗軸となり、東アジアとユーラシアの勢力構造を大きく変化させた。
篠田英朗 2026.05.20
読者限定

「中露善隣友好協力条約」25周年の強固な中露関係

 トランプ米国大統領の北京訪問のわずか数日後のタイミングで、ロシアのプーチン大統領が北京を訪問している。出迎えている中国が、同格に扱っているようで、少しずつ待遇を変えているのは、興味深いところである。

 いずれにせよ中国政府の表現を用いれば、超大国アメリカとの間では、「建設的で戦略的に安定した関係」を目指す。これに対して、「多極化する世界」のビジョンをもって長年にわたるパートナーシップを培ってきた大陸部で隣接する大国ロシアとの関係は、中国にとって、質的に全く異なるものだ。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4220文字あります。
  • 四半世紀で激変した中露と日本の力関係
  • 中露の連携の形成:1990年代の欧米不信
  • 中露の連携の形成:上海協力機構(SCO)とBRICSの設立
  • 中露の連携の形成:2001年善隣友好協力条約
  • 地政学理論から見た中露連携の意味

すでに登録された方はこちら

読者限定
パランティア・テクノロジーズの研究(3):共同創業者兼CEOアレクサン...
読者限定
パランティア・テクノロジーズの研究(2):創業者ピーター・ティールの思...
読者限定
パランティア・テクノロジーズの研究(1):概要編・特異な政治思想を持つ...
読者限定
9・11テロ事件から25年:世界はどのように変わったか
読者限定
米国の制裁に対抗するEU「ブロッキング規則」をめぐる誤解について
読者限定
アメリカのICC制裁で混迷を深める「国際社会」の「正当性」概念
読者限定
アメリカのICC制裁:金融制裁の歴史の中で捉える
サポートメンバー限定
プーチン大統領の北方領土訪問をめぐる国際政治学者の言説についての雑感