「G2」と多極化世界との関係:三つのイメージ

トランプ大統領の訪中は、米中協調を重視する「G2」論を再び印象づけた。他方、中国は「建設的で戦略的に安定した関係」を求めつつも、多極化世界やBRICS重視の立場を維持している。米中は突出した超大国だが、ロシアやインドなど独自圏域を持つ地域大国も存在し、「G2」は多極化世界と併存する構図として理解される。
篠田英朗 2026.05.16
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印象深いトランプ大統領の中国訪問

 トランプ大統領をはじめとする米国政府高官・経済界有力者たちの中国訪問の様子を伝えるニュースが、世界を駆け巡った。他の諸国を圧倒する力を持つ二つの超大国の首脳会談だ。注目されて当然だろう。普段は多くの問題で対立する様子が報じられることが多い両国だが、トランプ大統領と習近平国家主席は、お互いを尊重する態度を見せ合い、それが世界の多くの人々に強い印象を与えた。

両国ともに、関係発展を通じた経済的利益の確保に関心を持っている。それが大訪問団で訪問したアメリカと、それを厚遇した中国の態度につながった。個別の懸案事項をこえて、相手を軽視している印象を与えることのないように、双方が配慮を施した。

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続きは、3774文字あります。
  • トランプ大統領が披露した「G2」の考え方
  • 中国の「G2」に対する態度:「建設的で戦略的に安定した関係」
  • 「G2」と多極化する世界の関係
  • 「G2」の三つのイメージ

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