紅海沿岸地域の分離独立運動と封じ込め~イエメンのUAE暗躍とイスラエルのソマリランド国家承認の空転~

UAEが支援したイエメン南部分離派STCは失速し、UAEは撤退。これに連動してイスラエルのソマリランド国家承認は戦略的意味を失い、イスラエルの地域的孤立だけが深まった。紅海沿岸地域では、さらにスーダン、リビア、そしてシリアで、分離独立支援をめぐり、UAE・イスラエルと、それを封じ込めるサウジ、エジプト、トルコなどが対峙する構図が緩やかに存在するが、アメリカや中国の動きもあり、固定的とは言えない。
篠田英朗 2026.02.02
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流動化する中東(紅海沿岸地域)情勢

 12月30日の『The Letter』で、「紅海・アデン湾流域で暗躍するUAE:イエメンとソマリランド情勢の流動化」という題名で、UAEの動きを追う記事を書いた。その後、関連する情勢が動いているのは見ていたが、この『The Letter』でフォローアップの追加記事を書けていなかったので、今回その不足を補っておきたい。

 UAEの位置づけは、非常に微妙かつ不透明なところがあるのだが、その暗躍が成功し続けているという印象ではない。まずイエメンで、UAEは撤収を強いられた。欲を出して、かえって損失を被った結果だ。

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  • イエメン情勢の急転
  • 空転するイスラエルのソマリランド承認
  • 連動するスーダンやリビアの動き
  • シリア情勢の急変
  • アメリカと中国の動き
  • 複雑な紅海沿岸情勢

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