トッドが語る「慎重さ」という「日本の選択」の勧め(トッド『西洋の敗北』を読む4)

トッドは、日本の最大の課題を人口減少・少子高齢化と捉え、派手な安全保障や対外関与ではなく「慎重さ」「できるだけ何もしないこと」を勧める。米国主導の一極秩序が崩れ多極化が進む中、日本は奇策を追わず、紛争を避けつつ人口問題に資源を集中すべきだという提言である。
篠田英朗 2026.02.08
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トッドの日本論の位置づけ

 トッドの著作の日本語版の題名に、『日本の・・・』といったものが入っている場合が多い。日本の読者に理解の切り口を提示するための日本の編集者側の工夫だろう。

 最新刊である『西洋の敗北と日本の選択』(文春新書、2025年)は、その典型例である。注目作である『西洋の敗北』の議論を下地にしながら、追加的に日本についてもなるべく論じてもらう体裁で、本が作られている。

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続きは、3099文字あります。
  • トッドが指摘する日本の最大の問題
  • トッドは日本の安全保障政策には興味がない
  • トッドの多極化する世界の認識
  • トッドの「何もしないこと」の勧め
  • 「何もしないこと」の含意
  • トッドの諦念

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