ホルムズ海峡を国際法の観点から見るとどうなるのか

米イスラエルの対イラン攻撃後、ホルムズ海峡の通航制限を巡り「封鎖」か否かで認識が分裂している。イランは自衛権に基づく選別的遮断と主張する。その主張が成立する範囲では、合法性の余地は出てくる。一方、米国のオマーン湾封鎖は、法的根拠がさらに弱く違法性が強い。これに照らして日本の対米追随姿勢も位置付ける必要がある。
篠田英朗 2026.04.28
読者限定

ホルムズ海峡の状況を法的概念で整理する

 アメリカ・イスラエル対イラン戦争が勃発してから、ホルムズ海峡の交通の阻害が世界経済に与える影響が、注目を集めている。

ホルムズ海峡をめぐる問題に、どのような政策的態度を取っていくかは、日本を含めた諸国にとって、大きな問題だ。ただ、それ以前に、ホルムズ海峡の状況を、どのように理解するか、という認識の問題も、重要である。なぜなら、そもそもホルムズ海峡の状況の理解から、大きな見解の相違があるからだ。あるいは、認識の問題のところから、政治的対立が始まる、といっても過言ではない。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、6916文字あります。
  • イランのホルムズ海峡管理:封鎖か閉鎖か
  • イランのホルムズ海峡管理:敵性に基づく捕獲
  • イランの海峡管理は合法か違法か:自衛権の抗弁
  • 国連海洋法条約の位置づけ
  • アメリカのオマーン湾における海上封鎖は合法か違法か
  • 日本政府の政策的立場の評価

すでに登録された方はこちら

読者限定
パランティア・テクノロジーズの研究(3):共同創業者兼CEOアレクサン...
読者限定
パランティア・テクノロジーズの研究(2):創業者ピーター・ティールの思...
読者限定
パランティア・テクノロジーズの研究(1):概要編・特異な政治思想を持つ...
読者限定
9・11テロ事件から25年:世界はどのように変わったか
読者限定
米国の制裁に対抗するEU「ブロッキング規則」をめぐる誤解について
読者限定
アメリカのICC制裁で混迷を深める「国際社会」の「正当性」概念
読者限定
アメリカのICC制裁:金融制裁の歴史の中で捉える
サポートメンバー限定
プーチン大統領の北方領土訪問をめぐる国際政治学者の言説についての雑感